アルゼンチン、W杯決勝の相手ドイツに大勝
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【9月4日 AFP】サッカー国際親善試合が3日、各地で行われ、アルゼンチンは4-2でドイツに勝利した。
W杯ブラジル大会(2014 World Cup)決勝の再戦となったデュッセルドルフ(Duesseldorf)での試合は、王者ドイツを称えるお祭りムードをアルゼンチンが大勝で吹き飛ばした。
アルゼンチンは、英国史上最高額でマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)へ移籍したアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)が1得点を決め、さらにセルヒオ・アグエロ(Sergio Aguero)、エリク・ラメラ(Erik Lamela)、フェデリコ・フェルナンデス(Federico Fernandez)の得点をすべてアシストして、W杯決勝以来となる出直しの1戦に勝利した。
逆にドイツは、アンドレ・シュールレ(Andre Schuerrle)とマリオ・ゲッツェ(Mario Goetze)が得点したが、アルゼンチンの容赦ない攻撃で現実に引き戻された。
アルゼンチンは、W杯後に招へいされたヘラルド・マルティーノ(Gerardo Martino)監督が、初陣を勝利で飾った。アレハンドロ・サベジャ(Alejandro Sabella)前監督が契約延長を辞退したため、空席となった新指揮官の座に就いたマルティーノ監督は、前シーズンはFCバルセロナ(FC Barcelona)を率いたが、シーズン無冠に終わり、同クラブを退任していた。
マルティーノ監督は、浮かれるほどの勝利ではないと話し、「相手は多くの選手が欠場し、それに3選手が引退した」とコメントした。
「新しいチームを作り上げるのは簡単ではない。今日は、ディ・マリアがW杯の時よりもさらに飛び抜けていた」
ドイツを率いるヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督も、W杯決勝の意趣返しをされたわけではないと話した。
「リベンジにはなり得ない。W杯決勝はやり直せるものではない。それに、これまで一緒に戦ったことのないメンバーだったから、選手は責められない。調子の良くない選手もいた」
7月13日にリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)で行われたW杯決勝では、ゲッツェが延長後半に決勝点を挙げて4度目のW杯制覇を果たした。そのためこの日のエスプリ・アリーナ(ESPRIT arena)には5万1132人の観客が集まり、改めてW杯優勝を喜んだ。
試合開始前には、アーセナル(Arsenal)のペア・メルテザッカー(Per Mertesacker)、W杯通算最多得点の記録を作ったミロスラフ・クローゼ(Miroslav Klose)、W杯で主将を務めたフィリップ・ラーム(Philipp Lahm)に、ドイツファンが最後の別れを告げる機会もあった。3選手はW杯後に代表引退を表明している。
ドイツは、W杯決勝の先発メンバーのうち、この試合に出場したのはわずか4人で、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)のバスティアン・シュバインシュタイガー(Bastian Schweinsteiger)が負傷欠場したため、同じくバイエルンのマヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)が主将を務めた。
対するアルゼンチンは、同決勝からの変更を4人にとどめ、バルセロナのリオネル・メッシ(Lionel Messi)の欠場を受けてハビエル・マスケラーノ(Javier Mascherano)がキャプテンマークを巻いた。
アルゼンチンは開始20分、本物の質の高さを見せて先制した。ペナルティーエリアの角でボールを持ったディ・マリアが、左足アウトサイドできれいなクロスを送ると、中でノーマークになっていたアグエロが至近距離から難なくゴールを決めた。
その後もアルゼンチンは、カウンターから経験の少ないドイツDF陣へ常に脅威を与え続け、特にディ・マリアは、ドイツの左サイドに入ったボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のエリック・ドゥルム(Erik Durm)を翻弄した。
すると前半終了5分前、またしても右サイドのスペースへ抜け出したディ・マリアが、余裕を持ってクロスを送ると、ペナルティースポット左で待ち構えたラメラがボレーで合わせ、左上の隅へシュートを決めた。
さらにアルゼンチンは、ハーフタイム明け2分、ディ・マリアの鋭いFKにファーポストのフェルナンデスが頭で合わせて点差をさらに広げると、そのわずか2分後にも、マスケラーノのスルーパスに抜け出したディ・マリアが、ハーフタイムに投入されていたドイツのGKロマン・ヴァイデンフェラー(Roman Weidenfeller)との1対1を冷静に制し、チーム4点目を決めた。
ドイツも後半7分にシュールレがCKからボールを押し込んで1点を返すと、マルコ・ロイス(Marco Reus)のシュートがポストに当たる場面の直後に迎えた同31分、交代で投入されたゲッツェのシュートが相手に当たってゴールに入り、さらに点差を縮めたが、反撃もそこまでだった。(c)AFP/Mark Rodden