【7月14日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)は13日、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で決勝が行われ、ドイツが0-0で迎えた延長戦の末アルゼンチンに1-0で勝利し、通算4度目の優勝を果たした。

 マリオ・ゲッツェ(Mario Goetze)が延長戦にスーパーゴールを決めたドイツは、米大陸で開催されたW杯で欧州勢として初優勝を飾り、アルゼンチンの英雄ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏に肩を並べるというリオネル・メッシ(Lionel Messi)の夢を打ち砕いた。

 延長後半8分にドイツは、アンドレ・シュールレ(Andre Schuerrle)が左サイドを突破してクロスを上げると、ゲッツェが胸でボールをトラップして見事なボレーシュートを蹴り込み、マラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)はドイツサポーターの歓喜に包まれた。

 アルゼンチンは、後半にメッシが決定機を逃すなど、わずかなチャンスをものにすることができなかった。

 試合前のウオームアップでサミ・ケディラ(Sami Khedira)がふくらはぎを負傷し、キックオフ直前に急きょ代表経験がほとんどないクリストフ・クラマー(Christoph Kramer)が先発出場するなど、前半浮き足立つドイツに対し、アルゼンチンは先制する絶好のチャンスを何度か迎えた。

 アルゼンチンのゴンサロ・イグアイン(Gonzalo Higuain)は、トニ・クロース(Toni Kroos)がGKマヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)にヘディングで戻したバックパスを奪うと、ノイアーとの1対1の場面を迎えたが、シュートは枠をとらえられず、サポーターとチームメートのため息が漏れた。

 その後もアルゼンチンは、メッシのパスを受けたエセキエル・ラベッシ(Ezequiel Lavezzi)のクロスにイグアインが合わせ、ゴールネットを揺らしたかに見えたが、ニコラ・リッツォーリ(Nicola Rizzoli)主審はイグアインのポジションをオフサイドと判定し、ゴールは取り消された。

 また、ドイツはケディラの代わりに先発したクラマーも負傷し、シュールレとの交代を余儀なくされるなど想定外の出来事が続いたが、反撃される中でも冷静さを保ち、その後クロースのCKにベネディクト・ヘベデス(Benedikt Hoewedes)が合わせたヘディングシュートがポストをたたくなど、すぐに試合の主導権を握り返した。

 その後試合は激しさを増し、アルゼンチンはハビエル・マスケラーノ(Javier Mascherano)とセルヒオ・アグエロ(Sergio Aguero)が、ドイツのミロスラフ・クローゼ(Miroslav Klose)とバスティアン・シュバインシュタイガー(Bastian Schweinsteiger)に対するファウルで立て続けに警告を受けた。

 ドイツはボールを支配しながらも相手GKのセルヒオ・ロメロ(Sergio Romero)を脅かすには至らず、一方のアルゼンチンもドイツのマッツ・フンメルス(Mats Hummels)とジェローム・ボアテング(Jerome Boateng)の壁を最後まで崩すことができなかった。

 ドイツは延長前半開始直後にシュールレが絶好のチャンスを迎えたがロメロに阻まれ、勝敗はPK戦での決着が濃厚と思われたが、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に所属する22歳のゲッツェによって試合に幕が下ろされた。(c)AFP