■起死回生へ

 しかし、そのカレンジーには2008年、起死回生の機会が訪れた。フランスとマダガスカルの合弁会社、ル・ルレ(Le Relais)が同社の経営権を取得したのだ。

 そして同社は今月半ば、最新モデル「マザナ(Mazana)2」を発表。年間生産台数を2017年までに、現在の20倍に当たる200台にまで引き上げる計画を明らかにした。それでもわずかな生産台数だが、昨年のマダガスカルの自動車の輸入台数、約8600台の2%に相当する数だ。

 同社の将来に向けた期待は、来年にも市場に投入される新型のマザナ2にかかっている。メンテナンスにあまり手がかからない四輪駆動の設計は、起伏が多いマダガスカルの地形に適している。

 外観は偶然にも、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)がかつて生産していたスポーツ用多目的車(SUV)「ハマー(Hummer)」に似ているが、価格はマダガスカルの消費者に適した金額に抑えられるという。同社幹部は、「輸入車よりも安価で、価格競争力のある車になる」と胸を張る。試乗したAFPの記者も、曲がりくねった悪路に十分耐え得る車だと明言した。