【8月11日 AFP】シリア北東部ラッカ(Raqa)で10日、政府軍の空爆により12人が死亡し、妊婦とその胎内から取り出された新生児を含む23人が負傷したことが、非政府組織(NGO)シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)の発表と、同市の武装勢力が公開した動画により明らかになった。

 動画には、顔に酸素マスクをあてがわれた弱々しげな男の新生児と、その脇に置かれた血に染まった脱脂綿が写されている。男児の小さな胸からは治療に反応している様子が見てとれ、血にまみれた頭部にはガーゼが巻かれている。

 動画の説明では「赤ん坊の母親は腹部を負傷し、われわれは男児を胎内から取り出す必要があった。男児は金属片で頭部を負傷していたが、医師らは男児の命を救おうと奮闘している」とされている。

 動画の信ぴょう性は確認できないが、英国を拠点とするシリア人権監視団も、母親の胎内から新生児が取り出され、母子ともに無事だと伝えている。また同監視団によると、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」によって掌握されたラッカへのシリア政府軍の空爆により、子ども5人、女性1人と教師1人を含む12人が死亡したという。(c)AFP