■中国の消費感のギャップは大きくない

 中国で彼女のような価値観をもつ若者は、徐々に増えている。上海でライフスタイルショップ「Black Wizard」を経営するズー・イーもその一人だ。彼女は2年前までスペシャリティ・コーヒーの販売を専門とする「Nap Cafe」を経営し、現在は「Black Wizard」というオーガニックな日用品を扱うライフスタイルショップを経営している。店頭には国内外から厳選した良質な商品が並び、イーコマース事業を通じて顧客は中国全土に広がっている。

 「エコでオーガニックなものを手頃な価格で販売しようという意識から、このビジネスをはじめたの。大都市のビジネスは調達手段がスムーズだから、良い商品を国内で手に入れるのはそこまで難しくない。製品のパッケージが真似されることもあるけれど、それも市場拡大のチャンスと考えているわ」。

 上海で若者世代が大量消費を抜け出し、インディペンデント・ビジネスを始め出した背景として、彼女はSNSの発達と人件費の高騰を挙げる。

「私もロハスを知ったのは、雑誌やウェブサイトなどのメディアよ。ロハスのパイオニアたちはSNSなどで発信し、着々とカルチャーに影響を与えている。ネット上で様々なライフスタイルの人と関わって思ったけど、消費観に対するマジョリティとマイノリティのギャップは思ったほど大きくないの。
 また私は以前、スマホのアプリを制作する大きな会社に勤めていたけれど性に合わなくて、それなら自分たちで小規模・小額資金でもビジネスが可能になるイーコマース事業に取り組もうと考えたの。
 上海はパイオニアたちがどんどん新しい文化や価値観を開拓をしていく場所。色んな文化が混ざり合って、スローライフを送るにしても様々な可能性がある。私たちは、今までの画一的な大量消費ではなくて、自分自身でライフスタイルを選択できる幸せな世代だと思う」