【7月15日 AFP】米政府は14日、イスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での地上作戦を行わないよう要請した。またエジプト当局は、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官が1週間に及ぶ流血の事態を終結させる仲介努力に加わるため、15日にも中東を訪問する予定だと伝えている。

 イスラエルは人口が密集しているガザ地区に対し激しい空爆と砲撃を繰り返し、多くの民間人が犠牲になっている。これに対し国連(UN)や人権監視団体から強い非難が集まっているが、米政府はそれに足並みをそろえるまでには至っていない。

 米政府は、イスラエル政府にはガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)によるロケット攻撃から自国民を守る「権利」と「責任」があるとする一方で、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が連立政権内部の強硬派の意向をくんで地上部隊を派遣すれば、さらに多くの民間人が危険にさらされると警告した。

 ガザでの地上作戦についてはケリー国務長官をはじめとする米当局者が賛成しない姿勢を示していたが、米政府が実施しないよう公に求めたのはこれが初めて。

 イスラエルの空爆は7日目に入り、ガザの死者数は177人に上った。停戦を求める声は強まっているが、その実現に向けた進展はほとんど見られていない。

 アラブ諸国外相らがエジプト・カイロ(Cairo)で緊急会合を開催することになっているが、ハマス側は真剣な取り組みが行われていないとして暴力の連鎖を断つための協定締結には応じていない。

 エジプト国営メディアが報じたところによると、米国も休戦を促す努力に加わるため、ケリー米国務長官が15日にカイロ入りするという。

 米国務省は直接コメントを出していないが、イスラエル国内の報道によると、ケリー氏はエルサレム(Jerusalem)に加え、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長が拠点を置くヨルダン側西岸(West Bank)のラマラ(Ramallah)を訪問する可能性もあると伝えている。(c)AFP/Sara HUSSEIN