【7月15日 AFP】ウクライナ軍は14日、同国の軍機が「ロシア領内からの攻撃で撃墜されたとみられる」と発表し、乗員の捜索活動を行った。一触即発の危機にある両国の国境地帯の緊張は高まる一方となっている。

 ウクライナ大統領府は公式ウェブサイトに掲載した声明で、「撃墜されたAN26輸送機の乗員から…参謀本部に連絡が入った」と発表したが、乗っていた8人の行方に関する詳細は明かしていない。

 また、「ロシア連邦領内からの攻撃とみられる」と断定した理由について、親ロシア派が使用している携帯式防空ミサイルが届く範囲より高い位置を同機が飛行していたためとしている。

 ウクライナの国家安全保障国防会議(National Security and Defence Council)の報道官の話によると、同機を撃墜したのはグレーハウンド(Greyhound)地対空ミサイルか、ロシア領内から飛来したジェット機が発射したミサイルのいずれかとみられるという。

 AFP取材班は、ロシア国境に近いウクライナ東部で親露派が掌握しているルガンスク(Lugansk)地方に同機の残骸とみられるものが散乱しているのを発見した。地元住民からは、同日正午すぎに上空で複数のパラシュートを目撃したという情報が寄せられている。

 ウクライナ軍の複数の報道官が、乗員2人から連絡が入ったことを認めており、あるAFP記者は墜落現場のがれきの中に焦げた遺体が見えたと伝えている。

 一方親露派は露インタファクス(Interfax)通信に対し、同機を撃墜したのは同派の戦闘員であり、乗員4人を拘束して取り調べていると主張している。(c)AFP/Stéphane ORJOLLET and Max DELANY in Kiev