【7月13日 AFP】親ロシア派武装勢力の支配がまだ続いているウクライナ東部の主要都市では12日、数千人の市民が居住する地区からの避難を開始、高速道路には車があふれ、列車は満員となる状態が続いた。地域の住民らは、抵抗を続ける武装勢力の攻撃で新たに兵士30人を失った政府軍の反撃を恐れている。

 ロシアとの国境に近い東部地域では11日、ロケット弾による武装勢力の激しい攻撃で政府軍の兵士19人が死亡した。軍によると、同日には別の場所でも合わせて4人の兵士が死亡。翌12日にかけての戦闘では7人が死亡し、120人以上が負傷した。

 欧米の支援を受けるウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は、武装勢力に反撃するため東部地域での攻勢を強める方針を明確にしており、停戦実現の可能性が全面的に打ち砕かれる可能性も指摘されている。

 人口およそ100万人のドネツク(Donetsk)州の州都ドネツクでは、攻撃の継続を辞さないとするポロシェンコ大統領の発言を受け、多くの市民が政府軍による空爆の可能性を確信したとみられている。一方的に独立を宣言した「ドネツク人民共和国(Donetsk People's Republic)」の首相を名乗るオレクサンドル・ボロダイ(Oleksandr Borodai)氏によると、すでに7万人近くが避難した。

 一方、武装勢力のイーゴリ・ストレルコフ(Igor Strelkov)司令官が報道陣に明らかにしたところによると、ドネツクと同じく親ロシア派が支配を続けているルガンスク(Lugansk)でも、市民が「自主避難」を始めている。(c)AFP/Stephane ORJOLLET and Dmitry ZAKS in Kiev