米国防総省DARPA、記憶回復装置の研究に助成 40億円
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■最初はてんかん患者で試験
研究者らによると、開発されるすべての神経機能代替装置は、てんかんが原因の記憶障害があり、治療の一環としてすでに電極を埋め込まれている患者に対して最初に試験が行われるという。
これらの患者で装置が有効に機能した場合、「外傷性脳損傷やアルツハイマー病の患者の正常な記憶機能を取り戻す方法に関する極めて重要な情報が入手できる」と、ペンシルベニア大の計算論的記憶を研究する「Computational Memory lab」のマイケル・カハナ(Michael Kahana)所長は話す。
UCLAの声明によると、科学者らは「記憶機能の回復を助けるために高度な電気刺激を用いて介入する」方法に関する研究を行う予定だという。
研究者らが回復させることを目指している「陳述記憶」の一例として、サンチェス氏は「店に行く」ということを挙げた。店に行くためには、店の名前や場所、おそらく電話番号やオーナーの名前なども記憶しておく必要があるだろう。
こうした情報は、外傷性脳損傷を負うと思い出すことが困難になる場合がある。
サンチェス氏は「最終的には、脳損傷患者の情緒的、社会的、経済的側面に対する解決策を見つけたいと考えている」と述べている。
同氏はまた、一部でささやかれている、米軍当局が戦地に派遣された兵士の記憶を改変・削除しようとしているのではとの懸念に対し、DARPAは記憶の消去に関する領域ではいかなる研究も行っていないと述べた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN