【7月7日 AFP】イスラエル人少年3人の殺害に対する報復とみられているパレスチナ人少年殺害事件に関連し、イスラエル当局は6日未明、ユダヤ人過激派6人を逮捕した。

 今月2日に起きたパレスチナ人のムハンマド・アブ・クデール(Mohammed Abu Khder)さん(16)殺害事件は、イスラエルが実効支配する東エルサレム(East Jerusalem)で4日に及ぶ暴力的な衝突を引き起こした。暴動はイスラエル内にあるアラブ人居住区6か所以上にも広がり、事件に抗議する群衆が機動隊に投石した。

 クデールさんの検視の結果、肺に死の直前に煙を吸引した痕跡が見つかり、クデールさんが生きたまま体に火を付けられた可能性が出ている。

 イスラエル治安当局は、クデールさん殺害事件に関与した疑いで「数人のユダヤ人容疑者」が総保安庁(Shin Bet)とイスラエル警察により7月6日未明に逮捕されたと発表。

 捜査には報道禁止令がかけられているが、右派ユダヤ人過激派らに法的な支援を提供する団体「ハネヌ(Honenu)」は、未成年3人を含む6人の容疑者の弁護を担当していることを明らかにしている。6人は6日に再勾留審問のためのペターティクバ(Petah Tikva)の裁判所に出廷し、うち5人は8日間の勾留、残る1人は5日間の勾留を命じられたという。

 イスラエル南部での緊張状態は6日も続いた。イスラエルは前夜から未明にかけ、10回の空爆を実施。その後、ガザ(Gaza)の武装勢力は、20発のロケット弾と迫撃砲弾をイスラエル側に発射した。ガザ当局によると、イスラエルの空軍機が同日午後に再度空爆を実施したが、負傷者は出なかった。

 イスラエルは状況を抑え込む決意のもようで、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は内閣にガザ対処の方法について冷静を保つよう要求している。(c)AFP/Shatha YAISH