【7月6日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2014)は5日、女子シングルス決勝が行われ、大会第6シードのペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)は6-3、6-0で第13シードのユージェニー・ブシャール(Eugenie Bouchard、カナダ)に勝利し、自身2度目となるウィンブルドン制覇を果たした。

 2011年大会(The Championships Wimbledon 2011)女王のクビトバは、わずか55分で3年ぶり2度目となる四大大会(グランドスラム)制覇を果たした。一方、センターコートでウイナー28本、エース4本の砲撃を次々と浴びたブシャールは、ショックを残すなすすべのない完敗を喫した。

 初優勝を飾った3年前以来となる、グランドスラムの決勝を戦った24歳のクビトバだが、力で押す自分らしいテニスを存分に発揮し、キャリア12勝目を挙げた。

 決勝でクビトバは、子どもの頃の憧れであるマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏が観戦する前で、息をのむプレーを見せた。ウィンブルドン決勝で、今回の容赦ない圧勝劇を上回る早さで決着がついたのは、そのナブラチロワ氏がアンドレア・イエガー(Andrea Jaeger)氏を54分で退けた31年前の大会が最後となる。

 クビトバは「コーチから最高の戦術をもらった。どうプレーすべきか、コーチはいつも分かっている」とコメントした。

「チームのみんなにも、何年もの間ずっと助けてもらって、ここへ戻ってきてまたトロフィーを勝ち取ることができた。今回の方が特別とは言わないけれど、3年経って再びここでトロフィーを取れたのはとても特別なことだと感じています」

 ウィンブルドン初制覇以降は、知名度と高まる期待に応えることができず、苦しんできたクビトバだったが、ついに躍動感のあるテニスを取り戻し、壁を破る成功を手に入れた。

 左打ちのクビトバは、7試合を戦ってわずか1セットを落としただけで優勝トロフィーを掲げ、週明けに更新される世界ランキングでは4位に浮上することが確定している。

 歓喜するクビトバとは対照的に、2009年のカロリーネ・ボズニアツキ(Caroline Wozniacki)以降では最年少でグランドスラム決勝に進出していたブシャールは、初の決勝の舞台で惨敗を喫したが、気丈に敗戦を受け止めた。

 モデルのような容姿を持ち、強烈に負けず嫌いなブシャールは、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova)と比較されることも多く、また、英王室好きの母親からユージニー王女(Princess Eugenie)の名前をもらっていることもあり、この決勝は彼女のウィンブルドン女王としての戴冠式になるという声もあった。

 ところが、ロイヤルボックスから本物のユージニー王女らが見つめる前で、20歳のブシャールは完敗を喫し、ウィンブルドン決勝でクビトバに打ちのめされるという、ありがたくない栄誉をシャラポワと分け合っている。

 ブシャールは「本当につらい日になったけど、この2週間の自分のプレーを誇りに思う。正しい方向へまた一歩進んだはず。今日は、みなさんの大きな愛に応えるプレーができたかは分からないけど、だけど気持ちは確かに受け取っています」とコメントした。(c)AFP/Steven GRIFFITHS