【6月29日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)は28日、ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)で決勝トーナメント1回戦の試合が行われ、ブラジルが1-1で迎えたチリとのPK戦を3-2で制し、準々決勝進出を果たした。

 開始から両チーム積極的に攻め合う展開となった試合は前半18分、ブラジルはチリのゴンサロ・ハラ(Gonzalo Jara)の膝に当たって入ったかのようにみえた得点がダビド・ルイス(David Luiz)のゴールと認定されて先制したが、チリは同32分にアレクシス・サンチェス(Alexis Sanchez)のゴールで同点に追いついた。

 後半に入ると、ブラジルは多くのチャンスを作ったが、フッキ(Hulk)の得点がハンドで取り消されるなどゴールは遠く、逆に延長後半にチリのマウリシオ・ピニージャ(Mauricio Pinilla)のシュートがクロスバーをたたいた場面では肝を冷やしたが、両チームともに決定力を欠き、試合は1-1のままPK戦に突入した。

 迎えたPK戦でブラジルは、ウィリアン(Willian Borges da Silva)とフッキが失敗したが、ダビド・ルイス、マルセロ(Marcelo Vieira Da Silva Junior)が落ち着いて決め、GKのジュリオ・セザール(Julio Cesar)がチリの1人目だったピニージャ、2人目のアレクシス・サンチェス(Alexis Sanchez)を止める決定的な仕事をした。

 2-2で迎えた5人目、ブラジルはネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が決めて3-2とリードを奪うと、最後はチリのハラのシュートがポストをたたいた。

 勝敗が決すると、ネイマールは歓喜の涙を流しながらピッチに膝をついて祈りをささげ、敗れたチリの選手たちはユニホームで顔を覆って流れる涙を隠しながらピッチを後にした。

 W杯でのブラジルの悪夢を拭い去ることができなかったチリは、1998年フランス大会、2010年南アフリカ大会(2010 World Cup)に続き、またもブラジルに8強入りを阻まれた。(c)AFP/Andy SCOTT