【6月27日 AFP】イラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は26日、同国に分裂の危機をもたらしているイスラム教スンニ派の武装勢力を撃退するためには、軍事行動に加え、政治的手段が必要だと語った。

 マリキ首相の発言は、スンニ派の武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」による猛攻に対し、英国のウィリアム・ヘイグ(William Hague)外相がイラクの指導者たちに団結を呼び掛けたことを受けたもの。ISILの進撃により、これまでに1100 人近くが死亡し、50万人以上が避難を余儀なくされている。

 イラクを電撃訪問したヘイグ英外相に対し、マリキ首相は「われわれは平行して2つの手段を進まなければならない」と述べ、当局は軍事作戦に加えて「政治的措置を継続し、議会を(予定通り)開き、議長と大統領の選出、そして引き続き組閣を行わなければならない」と述べた。

 マリキ首相はISILがもたらした2週間に及ぶ危機にもっぱら軍事的に対応してきた。マリキ首相の26日の発言は、同首相のコメントとしては政治的解決を見出そうとする姿勢を最も明確に示したものだ。(c)AFP/Prashant RAO