【6月26日 AFP】英国各紙は25日、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でかみつき疑惑の渦中にあるウルグアイ代表のルイス・スアレス(Luis Suarez)を一斉に非難した。

 大衆紙サン(The Sun)は、イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に所属するスアレスが「獣」だったと報じ、大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)は、国際サッカー連盟(FIFA)に対し、「かみつきスアレスを追放」するよう求めている。

 ウルグアイは、24日に行われた試合でイタリアに1-0で勝利し、決勝トーナメント進出を決めたが、スアレスは試合中にイタリアのジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)の肩にかみついたとされており、大会からの追放の危機に面している。

 FIFAは、過去に同じ問題で2度の長期出場停止処分を受けているスアレスの行為について調査を開始しており、かみつき行為が事実だと認められた場合、スアレスには最大24試合の出場停止処分が科される可能性がある。

 デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)のチーフ・スポーツライターであるポール・ヘイワード(Paul Hayward)氏は、「ルイス・スアレスはこれまでに2度かみつき行為で罰せられているが、(かみつき行為を)まったく抑えることができなかった。彼を(大会に)つなぎとどめることは、彼を追放するより損害が多いということをFIFAは知るべきであり、それは代表戦だけに限らない」とし、所属クラブでの試合を含めた6か月の出場停止処分を求めている。

 タイムズ(The Times)の著名コラムニストであるマシュー・サイド(Matthew Syed)氏は、スアレスが厳しく罰せられなければ、サッカーは敗者になるだろうとの見解を示している。

「長期間の出場停止を科すことは、状況が異なれば暴行罪で出廷しなければならないような行為を、そのタレント(スアレス)は決して正当化することができないということを示す明確なメッセージだ」

 サンは、「かみつきドブネズミ」のスアレスは、13-14シーズンに31得点を記録してリバプールを優勝の一歩手前まで導き、これまでの悪行の評価を覆したと思われたが、2得点を決めた19日のイングランド戦後に、英国人が自身に対する「敬意」を欠き、扱いが悪かったとして批判したと伝えている。

 サンは、スアレスがイングランドサッカー記者協会(England’s Football Writers’ Association)選出の年間最優秀選手に選ばれていることに言及し、「申し訳ありませんが、扱いが悪いとはどういうことですか?」と批判している。(c)AFP