【6月25日 AFP】英日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)」(廃刊)の盗聴事件をめぐり、ロンドン(London)の中央刑事裁判所(Old Bailey)の陪審団は24日、盗聴罪に問われていた同紙元編集長でデービッド・キャメロン(David Cameron)政権の前報道局長、アンディ・コールソン(Andy Coulson)被告に有罪の評決を下した。

 一方、同じ罪に問われていた同紙の元編集長、レベッカ・ブルックス(Rebekah Brooks)被告は無罪とされた。ブルックス被告はかつて、同紙を所有していた米メディア王ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏の右腕と目された時期もあった。「世紀の裁判」とも呼ばれたこの事件は、約8か月に及ぶ細かい証拠調べと、陪審団による8日間の評議を経て、劇的な結末を迎えた。

 この評決を受けてキャメロン首相は、コールソン被告の報道局長起用について、テレビ放送の中で深刻な面持ちで陳謝した。不名誉な形で同紙が廃刊に追い込まれてから3年がたとうとしている今も、このスキャンダルがもたらした波紋が依然消えていないことがうかがえる。

 この事件の焦点は、同紙が王室や政治家、芸能人、犯罪被害者らに対して行っていた盗聴取材にあった。このスキャンダル暴露の中心的役割を果たしてきた英紙ガーディアン(Guardian)は24日、「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」に絡むさらなる犯罪容疑について、ロンドン警視庁(Scotland Yard)がマードック氏から事情聴取を行っていく意向だと伝えた。(c)AFP/Danny KEMP