■イーストウッド流

 映画版のメインキャスト4人のうち3人は、ミュージカル版にも出演しており、ラスベガスの舞台にも立っていた。ニューフェイスはデビート役のビンセント・ピアッツァ(Vincent Piazza)だ。彼にはテレビや映画で歌ったり踊ったりした経験がなかったが、最終的にそれが問題になるようなことはなかった。

 ピアッツァは、「トミーはグループ外の生活に重きを置いていたんだ」と記者団に語り、「だから私がステップを間違えていても大目に見てもらえる。なぜなら実際にトミーは、ギャンブルや女性のことで頭がいっぱいでステップを間違えるような人物だったのだから」と続けた。

 イーストウッドはいつものように撮影を予算内でスケジュールより早く終わらせた。1シーンにつき1~2テイクしか撮らない、俳優に全幅の信頼を置く彼なりのやり方だ。

 バーゲンは言う。「(クリントがやったように)『ジャージー・ボーイズ』を映画化できる人はほとんどいないだろう。スター俳優を使わず、そして『ヘアスプレー(Hairspray)』のようなキラキラしすぎのミュージカル映画にすることもなくね」

(c)AFP/Romain RAYNALDY