【6月18日 AFP】映画監督のクエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)氏は、デジタルの映画製作を「シネマの死」にほかならないと厳しく非難する。一方、デジタルはフィルムより安くて早い「革命的な力」だと称賛する製作者たちもいる。

 35ミリフィルムかデジタルか。映画界では、この論争が過熱している。

 デジタルには実用的で経済的な利点があり、使わずにはいられないと主張する声がある一方、タランティーノ氏やクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)監督のような「純粋主義者」は35ミリの視覚的な「テクスチャー」を大事にしており、重要なものが失われつつあると警鐘を鳴らす。

「今や大半の映画が35ミリで撮影されていないという事実は、戦争に負けたことを意味する」

 タランティーノ氏は先月のカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で、このように語った。

 SF映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズ最新作の撮影を始めたばかりのJ・J・エイブラムス(J.J. Abrams)監督もフィルムの支持者であり、35ミリなしでは「最高の質」が失われると指摘している。