【6月14日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の開幕戦で、開催国ブラジルがクロアチアから挙げた勝利を13日に同国メディアが報じたが、その中の1社が微妙な判定でブラジルにPKをもたらした西村雄一(Yuichi Nishimura)主審に対し感謝の言葉を掲載した。

 マルセロ(Marcelo Vieira Da Silva Junior)のオウンゴールで先制許したブラジルは、クロアチアのDFデヤン・ロブレン(Dejan Lovren)がフレッジ(Fred)を後ろから押したとして西村主審が与えたPKをネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が決め、試合を逆転した。

 サンパウロ(Sao Paulo)で行われた対戦で、この判定がブラジルを3-1の勝利へ導いたと同国のスポーツ紙ランス(Lance)は伝えた。

「優勝カップはわれわれのものだ。ネイマールもわれわれのものだ。(3点目のゴールを挙げた)オスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)もわれわれのものだ。クロアチアの得点もわれわれのものだ。そして、主審もまたわれわれのものだ。すべてはわれわれのものだ!」とランス紙は評した。

 また地元紙グロボ(Globo)は、西村主審への感謝としてただ一言「Arigato!(アリガトウ!)」と見出しを打った。

 グロボは、「日本人主審はフレッジに対する、実際には存在しなかったペナルティーを見た」という言葉に加え、ブラジルは「不相応な手段で得た、価値ある勝利」を手にしたと紙面を締めくくった。

 別の現地紙フォリャ・ジ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)も西村主審のセレソン(Selecao、ブラジル代表の愛称)に対する配慮に焦点を当てた報道をした。

 同紙は、「存在しなかったペナルティによってブラジルは開幕戦に勝利した」と報じた。(c)AFP