【6月11日 AFP】英ロンドン(London)で10日、紛争下の性暴力撲滅を目指す国際会議が開幕した。共催者の一人、米女優で国連(UN)特使を務めるアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんは冒頭演説で、レイプの被害者に非はなく、「恥じるべきは加害者だ」というメッセージを同会議で発信していかなければならないと訴えた。

 4日間の日程で行われるこの国際会議は、ジョリーさんとウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相が2年にわたって展開してきた紛争下の性暴力撲滅運動の集大成となる。両氏はこれまでにコンゴ(旧ザイール)やボスニア・ヘルツェゴビナを訪れ、紛争中の性的暴行被害者らと面会してきた。

 開幕スピーチを行ったジョリーさんは、紛争下でのレイプはやむを得ないという見解は「神話」だと断じ、「やむを得ないという要素は一切なく、まさに民間人を標的とした戦争兵器。性行為ではない、暴力行為だ」と述べた。さらに、紛争下のレイプ予防教育を、あらゆる軍や平和維持活動部隊、警察の訓練に盛り込むよう呼び掛けた。

 一方ヘイグ氏は、紛争下の性的暴行被害者の支援策に、英国がさらに600万ポンド(約10億円)を拠出すると発表。また13日の会議に出席予定のジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は、会議に参加する117か国の代表らは「性暴力を過去のものにしていく」ことを願っていると語った。

 この会議では、一般向けに150のイベントも同時開催され、主催者らは意識向上の大きな機会になることを期待している。紛争下の性暴力撲滅宣言には、これまでに約150か国が署名している。(c)AFP/Guy JACKSON