【6月10日 AFP】イラク第2の都市で、ニナワ(Nineveh)州の州都であるモスル(Mosul)に対し9日夜、数百人の武装勢力が攻撃を仕掛け、州本庁舎や刑務所、テレビ局などを占拠した末、街全体を掌握した。イラク当局が10日発表した。イラクのウサマ・ナジャフィ(Osama al-Nujaifi)連邦議会議長も同日「ニナワ州全体が武装勢力の手に落ちた」と発表した。

 モスルはイラクの首都バグダッド(Baghdad)の北方350キロに位置する。イラク内務省高官はAFPに対し「モスルの街は政府の支配が及ばず、武装勢力のなすがままになっている」と答えた。

 イラクで今年、武装勢力が掌握した都市は1月のファルージャ(Fallujah)に続き、これで二つ目。武装勢力は最近、ニナワ州など5州で大規模な作戦を展開し、多数の人が殺害されている。今回のモスル掌握は、武装勢力の進攻を止めることができずにいるイラク政府にとって新たな打撃といえる。

 モスルから避難したAFP特派員によると、市内の店舗は閉まり、治安部隊の車両は乗り捨てられ、警察署は放火されて炎上していたという。(c)AFP