【6月3日 AFP】4月に韓国で起きた旅客船セウォル(Sewol)号の沈没事故を捜査している検察当局は3日、同船を所有・運航していた「清海鎮海運(Chonghaejin Marine)」の事実上のオーナーで逃亡中の兪炳彦(ユ・ビョンオン、Yoo Byung-Eun)容疑者(72)が、亡命先を求めてある国の在韓大使館に間接的に接触したが、亡命申請を拒否されたと発表した。

 当局は国内報道陣向けの記者会見で、前週、匿名の人物が兪容疑者の代わりにある大使館に連絡を取ったと述べた。聯合(Yonhap)ニュースが伝えた検察幹部の談話によると「この大使館は(兪容疑者が)刑事事件の容疑者であるため亡命申請を却下した」という。亡命の申請理由は明らかになっていない。

 兪容疑者は清海鎮海運を経営する一族の家長。経営には直接関わっていないが、同社は持ち株会社を通じ、兪容疑者の子どもや側近が運営している。

 兪容疑者は前月、セウォル号沈没事故に関連する当局の呼び出しに応じず、以来、逃走しており、当局は逮捕につながる情報に50万ドル(約5000万円)の懸賞金をかけて行方を追っている。セウォル号沈没事故ではすでに同社幹部5人が逮捕されている。(c)AFP