【6月3日 AFP】元サッカー日本代表の中田英寿(Hidetoshi Nakata)氏がAFPのインタビューに応じ、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)に臨む日本代表は、結果を出すよりも、50年後の青写真を描くことに専念すべきだと話した。

 日本サッカー協会(Japan Football AssociationJFA)の大仁邦彌(Kuniya Daini)会長は、2002年の日韓大会で初めてベスト16進出を果たし、2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)でも決勝トーナメント1回戦に駒を進めたアジア王者の日本が、今大会で8強入りを果たすことを目標に掲げている。

 1次リーグで、コロンビア、コートジボワール、ギリシャと同組のグループCに入った日本は、1998年のフランス大会から5大会連続のW杯出場を果たしている。

 アジア初の現代サッカーの象徴として名声を手に入れた中田氏は、2006年に29歳の若さで引退を表明したが、今こそ日本代表が「W杯に足跡を残すときだ」という。

 W杯開催期間中、サンパウロ(Sao Paulo)で日本の伝統文化を伝えるカフェをプロデュースする中田氏は、東京のブラジル大使館でレセプションに出席し、「今後50年間のアイデンティティーを確立しなければならない」と話した。

「僕も選手でした。選手としては、どんな形でも良いからすべての試合に勝利したい」

「それは理解できます。しかし、代表チームとしては、歴史とアイデンティティーを構築し始めなければならないときだと思います。ブラジル、イタリア、ドイツ、スペインといった名前を聞いたとき、どういうサッカーをするのか想像できますよね。イメージがあるのは、長い時間をかけて彼らがそれを確立してきたからです」

 日本代表としてW杯の3大会に出場した中田氏は、1998年大会で赤毛の生意気な新人として名をはせ、イタリア・セリエAのペルージャ(Perugia、当時)に移籍すると、イタリアでプレーした7年間のうちに、ASローマ(AS Roma)でリーグ優勝を経験した。

 2006年のドイツ大会で日本が無念の1次リーグ敗退に終わると、中田氏はすぐさま現役引退を表明し、世間を驚かせた。