■もはや貧困地区のドラッグではない

 事実、最新の研究によると、米国の郊外部では若者たちが選ぶドラッグとしてヘロインの人気が高まっているという。こうした地域では処方箋が必要な鎮痛剤の乱用が流行し、その結果、より安価な違法薬物に手を出す人が増えたのだ。

 28日に発表された研究論文「米国におけるヘロインの容ぼうの変化(The Changing Face of Heroin in the United States)」は、当初は裏通りの薬物だったヘロインが、中流階級の住宅街に進出した過去50年間の経緯を説明している。

 研究は、米国各地の薬物治療センターで2010~13年に行われた調査に参加した2800人近い患者のデータに基づいたもので、米国医師会(American Medical AssociationAMA)の精神医学専門誌「JAMA精神医学(JAMA Psychiatry)」に掲載された。

 これによると、ヘロインに初めて手を出した平均年齢は23歳。そして直近の10年間にヘロインを始めた人は、90%以上が白人だった。

 1960~70年代には、ヘロイン使用者の80%以上が都市部の貧困地区に住むアフリカ系米国人男性で、16歳前後でヘロインを始めていた。

 米ワシントン大学(Washington University)の研究員で論文主著者のテオドール・シセロ(Theodore Cicero)氏は、「昔、ヘロインは麻薬中毒への入り口となるドラッグだった。だが今われわれが目にしているのは、ほとんどがオキシコンチンやパーコセット(Percocet)、バイコディンなどの処方薬の鎮痛剤の乱用に始まり、費用が高額になりすぎてヘロインに手を出すという例だ」と説明する。