女性政治家射殺容疑で母娘を逮捕、解雇の報復か スペイン
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【5月13日 AFP】スペインの警察は12日、与党所属の女性政治家を白昼に射殺した容疑で、警察官の妻とその娘の女2人を逮捕した。娘が仕事を失ったことへの私怨(しえん)による犯行という疑いが強まっている。
報道写真には、同国北部レオン(Leon)県のイサベル・カラスコ(Isabel Carrasco)知事(59)が市内を流れる川に架かった歩道橋の上に倒れており、体に警察が白い布を掛ける様子が写っていた。
同日午後遅くに発生したこの射殺事件について、カラスコ氏が所属していた与党・国民党(PP)の報道官はAFPに対し、「数回撃たれて死亡した」と明かした。事件の直後に女2人が逮捕され、取り調べを受けている。
内務省報道官はAFPに、「事件の前日に、県庁でエンジニアとして働いていた娘が解雇されていたようだ。事件は個人的な報復だったとみられる」と述べ、「警察は誰が発砲したのか調べている。銃は見つかっていない」と付け加えた。
同国では1990年代から2000年代初めにかけて、北部バスク(Basque)地方の分離独立を求める非合法武装組織「バスク祖国と自由(ETA)」により多数の国民党員が暗殺されたが、ETAが2011年10月に武装闘争終結を宣言して以降、このような事件は発生していなかったため、国内には衝撃が走った。
内務省の報道官は、「あらゆる点から見て、遺恨による個人的な犯行であり、同氏の公的な立場には無関係」だとして、政治的な動機によるものではないという見方を示した。
この事件を受けて、マリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相は短文投稿サイトのツイッター(Twitter)に、カラスコ氏の氏を悼むメッセージを書き込んだ。国民党と野党・社会労働党(PSOE)は、スペインでは今月25日に予定されている欧州議会(European Parliament)選の選挙運動を取りやめた。(c)AFP