【5月3日 AFP】ウクライナ内務省によると同国軍は3日、親ロシア派の武装勢力が行政庁舎などを占拠して混乱が続いている同国東部の町や都市の奪還を目指す大規模な軍事作戦を拡大した。

 ウクライナ暫定政権のアルセン・アワコフ(Arsen Avakov)内相は、「軍事作戦は継続している。われわれは止まらない」とフェイスブック(Facebook)に投稿。「クラマトルスク(Kramatorsk)で対テロ作戦を行っていた部隊は昨夜から今朝にかけて、テロリストらが占拠していたテレビ塔を奪還した」ことも明らかにした。

 ウクライナ軍は2日、クラマトルスクの約17キロ北にあるスラビャンスク(Slavyansk)で大規模な軍事作戦を開始。軍のヘリコプター2機が撃墜されて兵士2人が死亡するなど、少なくとも9人が死亡したと伝えられている。

 ウクライナ政府と欧米諸国は、今月25日に予定されているウクライナの大統領選を前に、ウクライナ国内の不安定化を狙ってロシアがウクライナ東部の混乱をあおっているとみている。

 しかしロシアはこうした指摘を否定し、「ウクライナ政府は自国民に対して軍事作戦を行っており、これを継続すれば破滅的な結果に直面する」と警告している。

 一方でロシアは、ウクライナとの国境に4万人規模の兵力を配備している。ウクライナ政府はロシアの侵攻を警戒して徴兵制を復活させ、軍に「完全な戦闘態勢」を取るよう命じた。(c)AFP