【5月2日 AFP】中東・ヨルダン東部の砂漠地帯に今週、戦火を逃れて隣国シリアから逃れてきた人々のための巨大な難民キャンプが新たに開設された。

 4月30日、首都アンマン(Amma)から東に100キロほど離れた地に正式オープンしたアズラク(Azraq)難民キャンプは、総面積15平方キロ。収容人数は5万人だが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると最大13万人まで拡張可能で、世界最大規模の難民キャンプとなる。

 UNHCRヨルダン事務所代表のアンドリュー・ハーパー(Andrew Harper)氏は、「世界一計画的な難民キャンプではないか」と開設式で述べた。

 シリア内戦が始まって3年、ヨルダンはこれまで60万人近いシリア難民を受け入れてきた。国内には既に3つのシリア難民キャンプが存在し、中でも10万人以上が暮らすザータリ(Zaatari)難民キャンプでは人口過密が問題となっている。アズラク難民キャンプの開設により、ザータリ難民キャンプの過密状態解消に期待がかかる。

 アズラク難民キャンプに現時点で完成した仮設住宅は約5000棟。最大2万5000人を収容できるが、国連によると初日に移り住んだ難民はまだ437人だけだという。

 砂漠のただ中の広大な敷地に、白い仮設住宅がずらりと並ぶ。キャンプ内は1万~1万5000人単位ごとに7つの村に区分けされている。受け入れ態勢が整っているのはこのうちの4か村で、残る3か村では今も建設作業が続く。

 キャンプ内に建設された道路の総延長は100キロに及ぶ。独自の配水施設も備え、学校が2つ、病床130床の病院もある。

 キャンプ内の難民には、食料や生活必需品の購入費として1人につき毎月24ディナール(約3500円)相当の金券が支給される。

 ヨルダン政府のシリア難民担当当局のワッダーフ・ハンムード(Waddah Hmud)局長は、アズラク難民キャンプについて「ヨルダン国内で2番目に大きいシリア難民キャンプだ。ここが最後のシリア難民キャンプとなってほしい」と語った。(c)AFP/Kamal TAHA