■試合は一方的な展開に

 試合は、25日に45歳で逝去したFCバルセロナ前監督のティト・ビラノバ(Tito Vilanova)氏、27日に82歳で逝去した元レアル監督のブハディン・ボスコフ(Vujadin Boskov)氏を悼み、1分間の黙とうが行われてから始まった。

 レアルは敵地アリアンツ・アレーナ(Allianz Arena)で先制点までわずか16分しか要さず、ルカ・モドリッチ(Luka Modric)のCKからラモスが力強くヘディングシュートを決め、バイエルンを後押ししていた本拠地の観客を沈黙させた。

 そこからの5分間でバイエルンは混乱状態に陥り、CBのボンフィム・ダンテ(Dante Bonfim Costa Santos)がロナウドに対するファウルでイエローカードをもらうと、直後にラモスに2得点目を許した。

 アンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)のインスイングのFKからCBのペペ(Pepe)がボールをすらし、ラモスが先制点からわずか4分で2得点目を決めると、バイエルンはノックアウト寸前に追い込まれた。

 さらにレアルは前半34分、ディ・マリアからスペースへ流れたカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)、さらには駆け上がってきたギャレス・ベイル(Gareth Bale)とボールをつなぎ、最後はフリーのロナウドがシュートを流し込んでバイエルンの悲劇に拍車をかけた。

 ロナウドがこの得点でチャンピオンズリーグの1大会最多得点の記録を更新し、レアルは前半だけで3-0としてハーフタイムを迎えた。

 グアルディオラ監督はハーフタイムに手を打ち、マリオ・マンジュキッチ(Mario Mandzukic)に代えてハビ・マルティネス(Javi Martinez)を投入すると、さらに4-2-3-1をあきらめて4-2-4のような布陣に変更し、シュバインシュタイガーとトーマス・ミュラー(Thomas Mueller)をさらに高い位置に押し出した。

 しかし、バイエルンはできる限りの手を打ったもののレアルの守備は堅く、後半45分にはロナウドがFKからこの日2得点目を決め、バイエルンの棺のふたに最後の釘を打ち込んだ。

 バイエルン主将のフィリップ・ラーム(Philipp Lahm)は、「とてもがっかりしているし、分析しなくちゃならないけど、それでも僕たちがこの2年で成し遂げてきたことを悪く言うことは誰にもできない」とコメントした。(c)AFP/Ryland JAMES