【4月16日 AFP】英ロンドン(London)で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の写真を割引ポスターに使用した理髪店に対し、北朝鮮大使館の職員らがポスター撤去を要求したと、地元紙が報じた。英警察も15日、この騒動に介入したことを認めた。

 ロンドン西部イーリング(Ealing)にある理髪店「M&Mヘアアカデミー(M&M Hair Academy)」を経営するモー・ナバシュ(Mo Nabbach)さんが英夕刊紙ロンドン・イブニング・スタンダード(London Evening Standard)に語ったところによると、北朝鮮大使館員を名乗る2人が同店の写真を撮影して名前を尋ねた後に、店のウインドーに張り出していた「無礼な」ポスターを撤去するよう要求したという。

 問題のポスターには、金氏のトレードマークともいえる後ろと横を刈り上げた髪形の大判写真に、「きょうの髪はいまいち?男性カット全て15%オフ、4月末まで」という宣伝文句が添えられていた。

 同紙によると、ナバシュさんは2人に「ここは英国だ。北朝鮮じゃない。弁護士を雇ったらどうだ」と伝えた。だが「2人はスーツを着ていて、真剣そのものだった。とても怖かった」といい、店側はその後、問題のポスターを撤去したという。

 ナバシュさんの息子のカリム(Karim Nabbach)さんによると、今後北朝鮮の男性国民は全員金氏と同じ髪形にしなければならなくなったという最近の未確認情報の報道を耳にして、店側はこのポスターを思いついた。しかし、「北朝鮮大使館が徒歩10分のところにあるとは知らなかった」という。「翌日には北朝鮮の職員らが店にやって来て、責任者を出せと言われた」

「彼(モー・ナバシュさん)はその後、万一夜間に店に何かあってはいけないと思い、イーリング警察署に通報した。どうやら彼ら(北朝鮮職員とみられる人々)も警察に行っていたらしい」