【4月14日 AFP】(写真追加)現在は寒冷で乾燥している火星もかつて温暖で湿潤だったが、穏やかな気候はおそらく長続きせず、一時的な期間に発生したにすぎなかっただろうとする研究論文が、13日の英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」に発表された。

 生命の貴重な要素である水をめぐり、火星では一体何が起きたのか──この謎は科学者らを長きにわたり悩ませてきた。

 これまでにも無人探査車からは、削られた跡がある峡谷、盆地、堆積三角州など興味深い画像が地球に届いており、また探査車によって、水和物を含む岩も見つかっている。これらはすべて、火星にかつて数百キロ規模の河川や湖が存在したことを示唆するものだ。

 だが火星は現在、非常に寒冷で、二酸化炭素(CO2)で主に構成された大気の大気圧も非常に低いため、液体の水が存在できない環境になっている。火星の地表で水をまいたとしても、水は凍ると同時に蒸発してしまうだろう。

 では、火星に液体の水が存在したのはいつなのだろうか。そして、その水はどうなったのだろうか。

 米カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)の惑星地質学者、エドウィン・カイト(Edwin Kite)氏率いる研究チームが、この謎に挑んだ。