【4月12日 AFP】数千人が被害を訴えているローマ・カトリック教会の聖職者による児童への性的虐待について、フランシスコ(Francis)法王は11日、自ら許しを求めるとともに、対応の強化を約束した。この問題については、バチカン(ローマ法王庁)が隠ぺいを繰り返し、加害者への処分も甘すぎるとの批判が相次いでいる。

 バチカン放送によると、世界中の子どもたちの権利や尊厳の擁護に取り組む国際カトリック児童事務局(International Catholic Child Bureau, BICE)のメンバーらと面会した法王は、「私個人として、許しを乞いたい。そうしなければならないと思っている」と述べた。昨年の就任以来、法王がこの問題で公に謝罪するのは初めて。

 報道によると法王は、「聖職者の人数が全体でどれだけになるかを考えれば、比較にはならない数」だとしながらも、「相当数の」聖職者が罪を犯したと認め、「カトリック教会は、この問題がもたらした損害を承知している」と述べた。

 バチカンはいかなる違反も許容しないとする断固とした措置の導入を約束しており、アイルランドの被害者をメンバーに含む担当委員会を立ち上げるなど、発見と防止を通じた虐待の根絶に向け、すでに対策に着手している。

 しかし、各国のカトリック司教協議会(Catholic Bishops Conference)による対応はそれぞれに大きく異なるほか、アフリカとアジアではこれまでに報告されている以外にも、多くの被害者がいるとみられている。

 先月にはイタリアのカトリック教会が、聖職者らは性的虐待の疑いを認識した場合、警察に通報する「道徳的義務」はあるものの、法的義務はないなどとする指針を示し、米国を拠点とする「聖職者による虐待被害者ネットワーク(Survivors Network of those Abused by PriestsSNAP)」などから厳しい批判を浴びた。(c)AFP/Dario THUBURN