ローマ法王、児童虐待根絶に「最も尽くしている組織は教会」
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【3月5日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王が、聖職者による児童性的虐待を根絶するために「これほど尽力した組織は他にない」として、ローマ教会の取り組みを擁護した。イタリアの日刊紙に5日掲載されたインタビューの中で語っている。
伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)に対し法王は「ローマ教会は、透明性と責任感を持って行動してきた恐らく唯一の公的機関だ。これほど尽力した組織は他にない。にもかかわらずローマ教会だけが、唯一攻撃されている」と述べた。
国連(UN)は先月、バチカン(ローマ法王庁)が児童虐待を撲滅できずに組織的な隠蔽(いんぺい)を黙認していると非難し、子どもに対する性的な暴行や虐待が疑われる聖職者を一掃するよう求めた。さらにローマ教会は「被害に遭った子どもの保護よりも、教会と容疑者の名声維持」を重視していると指摘したが、バチカン側はこれを断固否定した。
アルゼンチン出身で13日に就任1周年を迎えるフランシスコ法王は、虐待事件を「非常に深い傷を残すおぞましいもの」だと述べ、「子どもに対する暴力という現象に関するデータは衝撃的だ。虐待の大多数が家庭内や近所で発生していることも明示されている」と語った。
また法王は、前任のベネディクト16世(Benedict XVI)が法王の立場で初めて虐待の被害者に謝罪したことに触れ、子どもを襲う聖職者に対する教会の態度を改めるため「強い勇気を持って道を開いた」と称賛した。
フランシスコ法王自身、カトリック教徒はこの問題を「恥」とみなすべきだと発言している。昨年12月には、性犯罪を調査して予防に努め、被害者に対するケアを行うための委員会を設立した。(c)AFP