■巨大な衝突を繰り返して「惑星の種」に

 研究チームは今回の研究のために、原始太陽系内の塵(ちり)や岩がどのように集積して「微惑星体」と呼ばれる微少の天体を形成するに至ったかを示すコンピューターモデルを作成した。

 最新モデルによると、これらの微惑星体は巨大な衝突を繰り返しながら「惑星の種」に成長し、最終的に現在知られている水星、金星、地球、火星などの岩石惑星になるという。

 巨大衝突が起きるごとに、惑星に物質が「降着」、すなわち集積された。地球の場合、月が形成された衝突によって、地球最後の大規模な成長事象が導かれたと考えられる。

 また研究チームは、衝突後に集積された物質の量を調べるために、地球のマントルの化学組成を分析したところ、全質量の約0.5%ほどだった。

 月を形成した衝突が、太陽系の歴史の中で「早期」に起きたとすると、その時期にはまだ多数の微惑星体が自由に飛び回っており、地球にも多く集積されたと思われる。衝突が「後期」に起きるほど、集積される数は少なくなる。

 論文の共同執筆者のアレッサンドロ・モルビデリ(Alessandro Morbidelli)氏はAFPの電子メール取材に、この分析結果は地球が形成されるのに9500万年かかったことを示唆しており「太陽系内の惑星としては形成に最も長い時間を要したことを裏付けている」と語った。(c)AFP