【4月3日 AFP】6月12日にサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の開幕戦が行われるサンパウロ(Sao Paulo)のアレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)が、ファンの安全性が確保されない場合は一部閉鎖に追いやられる可能性が浮上している。サンパウロ州の検察当局が2日、発表した。

 先月末、作業員が転落死する重大な事故が発生したコリンチャンス(Corinthians)所有の同スタジアムは、その後の消防による検証で安全上の問題が26箇所確認された。この結果、建設作業は中断している。

 検察当局は、コリンチャンスのオーナーと建設会社オデブレヒト(Odebrecht)に、耐火性と出入口の安全性向上を要求した。

 声明の中で、検察側は「要求の一部またはすべてを満たさない場合、W杯の開催中にかかわらずスタジアムの一部閉鎖といった対応を辞さない」としている。

 消防隊の隊員はニュースサイトG1に対し、スタジアムは「安全でない」と語り、設置物のいくつかは「州法に反している」ことを明らかにした。

 現在スタジアムは建設途中で、W杯の幕開けとなるブラジル対クロアチア戦まで2か月を切った今月中旬以降の完成が見込まれている。

 コリンチャンスとオデブレヒトは、すでに調査結果を市当局に提出し、事態の収拾にあたっているとする声明を出している。(c)AFP