【4月2日 AFP】チェルシー(Chelsea)のジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督が1日、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2013-14)準々決勝で対戦するパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)を、自身が10年前に率いていたチェルシーと重ね合わせた。

 2日に第1戦が行われるパルク・デ・プランス(Parc des Princes)は、モウリーニョ監督にとってチェルシーでの欧州初舞台で、GKのペトル・チェフ(Petr Cech)、ジョン・テリー(John Terry)、フランク・ランパード(Frank Lampard)も出場していた2004年9月のその試合では、チェルシーが3-0でPSGに快勝している。

 当時のPSGは、フランス国内でオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)の陰に甘んじ、対するチェルシーはロシアの富豪ロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏がオーナーに就任してから1年が経ち、欧州でも有数の強豪に生まれ変わりつつあった。

 チェルシーは、モウリーニョ監督政権下ではこれまでチャンピオンズリーグの準決勝を突破したことがないものの、2012年には念願の欧州王者に輝き、昨季はヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2012-13)制覇を果たしている。

 チェルシーは現在、欧州の強豪クラブとしての地位を確立しているが、PSGは莫大な資金を持つカタール人オーナーの下、野心的なプロジェクトに乗り出してまだ3年しか経過しておらず、モウリーニョ監督はPSGのそうした姿が、かつて自身が初めてチェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)にやって来た時を思い起こさせると語っている。

 モウリーニョ監督は「似たところがあるのが分かるはずだ。アブラモビッチ氏がチェルシーを買った時には準備と意欲があり、そしてサッカー界の規定も今よりオープンだったから、投資が重要だった」と語り、欧州サッカー連盟(UEFA)がその後に定めたファイナンシャル・フェアプレー(FFP)規定がクラブの支出を制限し、やがてPSGにも影響を与える可能性があるとの見解を示した。

「われわれがやったことは、おそらくあの時期における最も重要な投資で、その結果、チェルシーは1年また1年と欧州サッカー界で最高レベルのチームを築き上げていった」

「PSGは同じことをしていて、それがFFPに照らした時にどうなるかをよく分かっていない者もなかにはいるが、しかし現実として最近2年の投資は莫大で、チームの陣容も素晴らしいものになった」

「(PSGの元スポーツディレクター)レオナルド(Leonardo Nascimento de Araujo)氏の下で、PSGは金遣いがすさまじい時期に入ったが、買ったのは正しい選手たちだ」

「現時点でチームには本当に良い選手が多くいるし、街にも情熱があり、パルク・デ・プランスは美しいスタジアムだ」

「現在のPSGは国内リーグを支配している。チェルシーが毎シーズン、チャンピオンズリーグのタイトルを追い求め、準決勝や決勝に進出していた頃と同じようにね。同じようにやって、そして勝ちたがっている」