【3月31日 AFP】宗教間対立による武力抗争が続く中央アフリカで、同国内にいるチャド人の保護に当たっていたチャド軍の部隊が群衆に向かって発砲し、少なくとも24人が死亡、100人以上が重傷を負った。地元市長が30日夕方、発表した。

 現場は、キリスト教徒が多く住む首都バンギ(Bangui)郊外のベグア(Begoua)で、地元のオデット・ドンボロ(Odette Dombolo)市長によると、これまでに24人の遺体が確認されたほか、100人以上が重傷を負ったという。また同市長は、ロケット弾で複数の住宅が破壊されたと主張している。

 地元住民の話によれば、チャド軍は「あらゆる方角に向けて発砲」し、周辺は逃げ惑う人々で大混乱に陥ったという。

 匿名で取材に応じたアフリカ連合(AU)主導の平和維持部隊「中央アフリカ支援国際ミッション(MISCA)」の士官は、チャド軍は手投げ弾による攻撃を受け、反撃として発砲したと語っている。

 中央アフリカでは、昨年3月に国内少数派のイスラム教系の武装勢力連合「セレカ(Seleka)」がクーデターで実権を握った後、多数派のキリスト教徒の民兵組織「反バラカ(Anti-balaka)」が台頭し、暴力的な衝突が繰り返されている。首都バンギでは先週から再び衝突が激化しており、既に40人以上が死亡。チャド軍に対しては、同じイスラム教徒のセレカ寄りだと非難する声もある。(c)AFP