【3月27日 AFP】仏非営利団体(NPO)「国境なき医師団(Doctors Without BordersMSF)」によると、ギニアで発生したエボラ出血熱の拡大阻止に向け、あらゆる手が尽くされているものの、「現地の伝統」が作業を難しくしているという。

 24日夜にAFPの取材に応じたMSFの救急コーディネーター、マリクリスティーヌ・フェリール(Marie-Christine Ferir)氏は、西アフリカで初めて確認され、これまでに少なくとも63人が死亡しているエボラ出血熱の感染拡大を「できるだけ早く食い止めようと」3段階の措置を講じていると述べた。

 一方で同氏は、隣国リベリアで感染が拡大している理由について、長距離をいとわず葬儀に出向き、遺体に触れて哀悼する「現地の伝統」に関係があると指摘した。

 MSFは、ギニア南部の深い森林地帯で、感染が最初に確認された地域近くのゲケドゥ(Gueckedou)に医療従事者35人を派遣し、患者の治療や新たな症例の確認、拡大予防のための情報提供を行っている。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、エボラ出血熱の治療法はまだ確立されておらず、ワクチンも存在しない。またウイルスの型にもよるが、発症患者の25~90%が死亡するという。

 エボラウイルスは、野生動物からヒトに感染する他、患者の血液・排泄物や汗との直接的な接触、患者との性交渉、感染した遺体の無防備な状態での取り扱いなどでも感染する。(c)AFP