【3月26日 AFP】ギニアで猛威を振るっている致死性の高いエボラ出血熱ウイルスが国境を越えて拡大した恐れがあると隣国シエラレオネで発表され、西アフリカ地域では25日、警戒感が高まっている。

 ギニアでは、2月の発生以来60人以上が出血熱で死亡している。科学者らによる検査で、これまでにサンプル45件中13件でエボラウイルスが死因と確認された。

 シエラレオネ医療当局のブリマ・カーボ(Brima Kargbo)氏は、記者団に「国内でエボラ出血熱と確認された患者はまだいないが、感染の疑いのある患者は存在する。現在、医療チームが患者を詳しく調べている」と語った。

 カーボ氏によると、感染が疑われる患者の1人は14歳の少年で、2週間前にギニアで死亡した後、シエラレオネの国境の村に埋葬されたとみられるという。もう1人の患者は北部カンビア(Kambia)地区で現在も生存しているという。

 西アフリカでエボラ出血熱が発生したのは、今回が初めてだ。

 ギニア南部と国境を接するリベリアでは24日、成人女性4人と男児1人がエボラウイルスに感染して死亡した疑いがあるとの報告がなされた。

 またカナダ保健省も、リベリアから帰国した男性がエボラウイルス感染に似た症状で入院したことを受け、同ウイルスが大陸を横断した恐れがあるとの懸念を表明していた。

 だが、カナダのローナ・アンブローズ(Rona Ambrose)保健相の報道官は25日、AFPの取材に対し、男性の検査結果は陰性だったと発表している。