■「良い筋書きなど存在しない」

 目下、反体制派の内部ではこれまでにないほど分裂が進んでおり、政権側に加え、かつて同盟関係にあったイスラム武装組織「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」とも戦っている。

 穏健派・過激派、両方の反体制派に加え、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」までもが、今年1月以降、ISILに対し激しい戦闘を仕掛けており、今のところ収束の気配もない。

 専門家らは、政権側は最近領土奪還を進めているが、全土を取り返すだけの兵力は持ち合わせていないと分析している。識者らの推定によると、反体制派は10万~15万人の戦闘員を抱えており、そのうちの1万~2万人が外国人。また反体制派には約2000の武装組織があり、そのうち「イスラム戦線(Islamic Front)」が最も重要な立場を保持している。

 一方政府軍の兵力は30万人とされ、このうちの半数が徴集兵。加えて、数千人規模の親政権派民兵らの支援も受けられる。しかしシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、政権側は過去3年間に5万人もの戦闘要員を失ったという。

「どちらにとっても勝ち戦ではない」。ドイツ国際安全保障研究所(German Institute for International and Security Affairs)の所長で、「Syria under Bashar(バッシャール下のシリア)」を著したフォルカー・ペルテス(Volker Perthes)氏はAFPに対し語った。「もしかしたらアサド氏は、領土の大半を取り戻し、制圧できていない地域については焦土作戦を展開するかもしれない。しかし、再び国全体を支配下に置くことは決してないだろう」