【3月6日 AFP】シリア政府軍が軍事作戦の一環として包囲戦を展開し、民間人を飢餓に追いやっていると批判する内容の報告書を、国連(UN)の調査委員会が5日、発表した。同時に反体制派の武装勢力についても、包囲作戦を用いて民間人居住地の周辺で無差別砲撃を行っていると非難している。

 調査委員会は、死者14万人を超えるとされるシリア内戦での人権侵害状況を調べるため国連人権理事会(UN Human Rights Council)が3年前に設置した。報告書は今年1月20日までの6か月間について、政府側と反体制派の双方に戦争犯罪と人道に対する罪に該当する行為がなかったかを調査したもので、3月末に国連人権理事会に提出される。

 報告書によると「シリア政府は包囲戦を用い、水や食糧、避難場所、医療サービスなど、人間の生活に最低限必要なもの(ベーシック・ヒューマン・ニーズ、BHN)を軍事戦略の手段として利用している」という。

 スイス・ジュネーブ(Geneva)で行った記者会見でブラジル人のパウロ・セルジオ・ピネイロ(Paulo Sergio Pinheiro)委員長は、内戦下のシリアでは25万人以上が包囲下にあり、人々は「投降するか餓死するかの選択を迫られている」と指摘。シリア政府が「投稿するまで飢えさせる作戦」を展開していると非難した。

 ピネイロ委員長はまた、北部アレッポ(Aleppo)などで数百人の死傷者が出ている、いわゆる「たる爆弾」による無差別爆撃についても「最も深刻な問題の1つとして報告書に記載した」と述べた。

 報告書は、政府側と反体制派の双方が子どもを検問所に配置したり、戦闘に参加させたりする事例が増えている点を指摘。また、政府軍が「組織的な殺人、拷問、レイプ、強制失踪」といった幅広い「人道に対する罪」を犯していると非難すると同時に、反体制派勢力の間にも殺人、処刑、拷問、誘拐、レイプ、医療関係者・宗教関係者・ジャーナリストへの攻撃などの戦争犯罪がはびこっていると批判している。(c)AFP/Nina LARSON