【3月14日 AFP】12日に上海(Shanghai)で行われた中国本土では2回目となる英ロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の公演で、ヒット曲「ホンキー・トンク・ウィメン(Honky Tonk Women)」が、その歌詞が過度に性的だとして演奏を禁止されていた。ツイッター(Twitter)のバンド公式アカウントがつぶやいた。

「そろそろ、普段なら『ホンキー・トンク・ウィメン』みたいな曲を演奏するところなんだが、禁止されてしまった」と、ボーカルのミック・ジャガー(Mick Jagger)が公演の中で語ったという。理由については説明しなかった。

 ホンキー・トンク・ウィメンの歌詞には「俺を2階に連れて行こうとした」「酒場の女王」や、性的に描写された女性などが登場する。

 ストーンズは8年前にも一度上海で公演しているが、その際にも「ブラウンシュガー(Brown Sugar)」などの楽曲が検閲を受け演奏を禁止されていた。

■中国当局、ライブの検閲を強化

 コンサートに足を運んだ観客らも12日のミック・ジャガーのコメントが事実だったと語っている。だが上海の観客の反応は落ち着いたものだった。地元の美術ライター、アンドリュー・チン(Andrew Chin)さんは「人々はストーンズを観られることにただワクワクしていた」と語った。

 中国当局は、政治的に慎重に扱うべきまたはわいせつと判断したコンテンツに対する検閲を行っている。2008年にアイスランド人歌手ビョーク(Bjork)が楽曲「ディクレア・インディペンデンス(Declare Independence)」の中で「チベット」と連呼して以降、ライブコンサートに対しては特に慎重になっている。

 2012年11月には、英歌手エルトン・ジョン(Elton John)が北京(Beijing)でのコンサートを中国の体制批判で知られる芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ、Ai Weiwei)氏に捧げると表明し、中国国営メディアが非難する出来事もあった。

 だがストーンズの他の人気曲、「ストリート・ファイティング・マン(Street Fighting Man)」「無情の世界(You Can't Always Get What You Want)」などは今回の上海公演では検閲を通過した。(c)AFP