【3月13日 AFP】8日に消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便の捜索をきっかけに、民間航空機は「ブラックボックス」と呼ばれるフライトレコーダーに頼るのをやめ、リアルタイムで飛行データを送信する技術を導入する時期にきているのか否かという議論が再燃している。

 航空業界筋は、衛星経由で重要な技術情報をリアルタイムで送信する技術が民間航空機でも既に存在することを認めている。だが、厳しい競争で絶えずコスト節減を強いられている航空各社がこうした技術に投資するかどうか、そして、そもそもこの技術が投資に見合うものなのかどうかは別の問題だ。

 米国家運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)の元マネージング・ディレクター、ピーター・ゴルツ(Peter Goelz)氏はAFPに「技術面の障害はない。コスト面の障害が課題だ」と話し、「航空各社は義務付けられない限り、何もしたくないというのが現実」と説明した。

 民間航空機には通常、2つのブラックボックスが装備されている。名前とは裏腹に明るいオレンジ色で、1つはコックピット内の会話を記録し、もう1つは機体の速度やエンジンの動作といった幅広い技術データを記録する。墜落事故が起きると、捜索隊はブラックボックスの回収に全力を挙げる。事故が陸上で発生した場合は通常、すぐに回収されるが、洋上となると難しい。

 今回の事故では、短いテキストメッセージを交換できる空地デジタル・データ・リンク「航空機情報呼び出し・伝達システム(ACARS、エーカーズ)」のおかげで、機体の位置情報や速度など、漠然とした手掛りは得られたが、フライト中に大量のパラメーターを記録できるブラックボックスとは比べ物にならない。マレーシア航空は、すべての航空機にエーカーズが搭載されているとしているが、MH370便からどのようなデータが送られてきたのかは明らかにしていない。