【2月28日 AFP】独出版大手シュプリンガー(Springer)は27日、コンピューターで生成された全くの「でたらめ」だったことが判明した論文16件を自社の資料データベースから削除すると発表した。

 シュプリンガーによると、これらの偽論文は情報理工学に関する学術会議に投稿されたもので、これらの会議の論文集は定期購読者限定の専門的な出版物として発行されたという。

 同社は「このような事態が起きることを可能にした手続き上の欠陥を見つけるための調査を実行中であり、再発防止を確実にするための処置を講じる予定だ」としている。

 この恥ずかしい過ちを暴露したのは、仏ジョセフ・フーリエ大学(Joseph Fourier University)のフランス人コンピューター科学者、シリル・ラベー(Cyril Labbe)氏(41)だ。

 英科学誌ネイチャー(Nature)の報告によると、同氏はこの他にも、米ニューヨーク(New York)に本部を置く米電気電子学会(Institute of Electrical and Electronic EngineersIEEE)が知らずに掲載した「意味不明な」論文を100件以上発見したという。

 同氏は、「SCIgen」と呼ばれるプログラムで作成された偽の論文を見破る方法を研究している。

 SCIgenは、無作為に選んだコンピューター工学用語をちりばめた見栄えの良い「研究論文」をワンクリックで次々に作成する。