<菅付雅信:新連載「ライフスタイル・フォー・セール」>第七回:ビームス設楽代表が語る、物欲なき時代のライフスタイル・ビジネス
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■「欲」から「夢」へ。夢中な人々が集まるコミュニティ・ブランドへ
設楽氏は以前、「日本の若者の風俗や文化を変えるとまではいかないが、泉に小石を投じるぐらいの影響を与えてこれたかな、というくらいの自負がある」と語っていたが、小石どころか巨岩のような影響力を持つに至った現在、彼の次なるミッションを伺ってみた。
「野心のある経営者は多いけれど、僕は理念を大切にしたい。どういう社会のために自分たちの存在意義があるのか。手近な部分で、社員の幸せとはなんなのかということをすごく考えますね。極論すると、社員を幸せにするには、やりがいのある仕事を与えるか、高額のギャランティを払うかしか無いんですよ。両方を与えられればベストだけど、その二つ以外にも何かあるはずだとも思うんです。僕は以前“ゆくゆく副業ありで、週休3日〜4日も有りの会社にしたい”と話したことがあるんです。それは最終的にはコミュニティ化ということ。週休3日〜4日にすれば、週休2日の人より給料は少ないかもしれないけど、自分の好きな飲食店経営や絵、サーフィンなどが出来たりと、いろんなことをやる人間が出てくる。それでもやっぱりビームスにいたいと思えるような会社になっていることが、ビームスがおもしろいコミュニティ・ブランドとして成立していることの証になるのだと思うんです。マネジメント面では難しいかもしれないけれど、働くってことは“work”や“labor”以外に、“play”でもあると思うんですね。僕は努力が大事だとは思うけど、“努力は夢中には勝てない”と思うんです。そういういろんなことに夢中な連中が集ってくれるコミュニティができればいいと思う。逆にそういうことがなくなって、大元に戻って暑さ・寒さをしのぐためだけの服を提供する仕事だったら、ファッションなんていらないんですよ」
【菅付雅信】
■プロフィール
1964年宮崎県生まれ。法政大学経済学部中退。「コンポジット」、「インビテーション」、「エココロ」などを創刊し編集長を務める。現在は雑誌、書籍、ウェブ、広告などの編集を手がける。著書に「東京の編集」「はじめての編集」「中身化する社会」等がある。
■「ライフスタイル・フォー・セールス」過去記事一覧
http://www.afpbb.com/articles/modepress/3007611
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