【2月15日 AFP】英ロンドン(London)で13日、野生動物の違法取引に関する会議が開かれ、参加した中国やアフリカ諸国など40か国以上がサイの角やトラの部位、象牙などの違法取引の根絶に向けて実効性のある措置を講じることを促す宣言に署名した。これらの違法取引を含む犯罪活動の総額は年間190億ドル(約1兆9000億円)を超えている。

 チャールズ英皇太子(Prince Charles)は会議の開幕に当たり、密猟者の取り締まりも重要だが、珍しい生物に対する「需要そのものを断つ」ことが鍵となるという見方を示した。

 中国からは国家林業局の張建竜(Zhang Jianlong)副局長が出席。ウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相は、禁止製品の消費が特に多い中国とベトナムが会議に参加したことを評価するとともに、中国で伝統的なフカひれスープ用のサメの捕獲量が減ったことを高く評価し、「中国の参加に加え、張副局長やその他のアジア諸国からの建設的なアプローチを歓迎する。しかしやるべきことはもっとたくさんあるだろう」と述べた。

 野生動物保護団体は今回の宣言をおおむね前向きに受け止めているものの、まだ十分ではないと指摘している。

 この宣言とは別に、チャド、ガボン、タンザニア、エチオピア、ボツワナの5か国は、密猟によって毎年2万5000頭が殺されているとみられるゾウを保護するための行動計画も発表した。この計画の進捗状況を評価するため、ボツワナで2015年に会議が開かれることになっている。(c)AFP/Jacques KLOPP