【12月3日 AFP】ボツワナで各国政府による密猟対策についての協議が行われる中、複数の環境保護団体は2日、アフリカのゾウの個体数が今後10年以内に20%減少する可能性があると警鐘を鳴らした。

 ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered SpeciesCITES)、国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)などがまとめた報告書によると、アフリカ大陸では昨年、推定2万2000頭のゾウが違法に殺され、密猟件数は「容認しがたいほど高いレベル」に達しているという。

 報告書は、「もし密猟の割合が現在のレベルのまま続くと、アフリカは今後10年以内にゾウの個体数の5分の1(20%)を失う可能性がある」と指摘している。

 この報告書は、ボツワナの首都ハボローネ(Gaborone)で専門家や各国閣僚らがゾウの大量虐殺を根絶するための方策を協議するのに合わせて発表された。ゾウの大量虐殺の件数は、アジアにおける象牙の需要の高まりを受けて増加している。

 現在アフリカにいるゾウは、およそ50万頭。1980年には120万頭、1900年には1000万頭だった。

 研究チームは、ゾウの生息地があるアフリカの国々における貧困と、政府の統治能力の低さが、密猟増加の背後で原動力になっているのではないかと指摘している。(c)AFP