イスラム教徒に対する「民族浄化」が進行か、中央アフリカ
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【2月12日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は12日、宗教間対立による武力抗争が続く中央アフリカで、イスラム教徒に対する「民族浄化」が行われていると指摘した。同国にはアフリカ連合(AU)軍などが平和維持活動のために駐留しているが、虐殺を阻止できていないという。
キリスト教徒が国民の大半を占める中央アフリカでは、昨年3月に起きたイスラム教系の武装勢力連合「セレカ(Seleka)」によるクーデター後、キリスト教徒による「アンチ・バラカ」と呼ばれる民兵集団が出現。アムネスティでは、このアンチ・バラカによって、少なくとも200人のイスラム教徒が殺害された証拠があると述べている。
アムネスティの報告によるとイスラム教徒の虐殺は1月初旬ごろから、人口の多い中央アフリカ西部で主に起きている。周辺のイスラム教徒たちは集落ごとに逃げ出すほかになく、避難できなかった人々が、ゆるく組織化されているアンチ・バラカに殺害されている。こうした襲撃は、中央アフリカからイスラム教徒を強制排除するという意図が明確に述べられたうえで行われており、アンチ・バラカの戦闘員たちはイスラム教徒を、国から出て行くか、殺害すべき「外国人」とみなしているという。
中央アフリカには現在、国連(UN)の平和維持活動としてアフリカ連合軍5300人が派遣されており、3月までには6000人まで増員される見込み。さらに旧宗主国のフランスは1600人の兵士を派遣している。また欧州連合(EU)が3月初旬までに500人の派遣を約束している。
アムネスティはこれらの部隊に、中央アフリカの道路網に対するアンチ・バラカの支配を早急に崩し、イスラム教徒が脅かされている町には十分な人員を配備するよう訴えている。(c)AFP