■2012年のシニア参戦から頭角を現す

 1998年6月5日にエカテリンブルク(Yekaterinburg)で生まれたリプニツカヤは、4歳でスケートを始めた。そして2009年にコーチのエテリ・トゥトベリーゼ(Eteri Tutberidze)氏に師事するため、母親と一緒にモスクワ(Moscow)に移り住んだ。

 リプニツカヤは2012年に世界ジュニア選手権を制すと、シニア大会にも初めて出場した。今年1月には、フィギュアスケート欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2014)で女子最年少優勝を果たしている。

 フィギュアスケート全米選手権(2014 Prudential U.S. Figure Skating Championships)で優勝し、団体戦女子シングル・フリースケーティング(FS)で2位に入った米国の18歳グレイシー・ゴールド(Gracie Gold)は、ライバルの少女が重圧に対処する姿を見て驚いていた。

 ゴールドは特にビールマンスピンで見せたリプニツカヤの柔軟性について言及し、「まだ15歳なのに、まったく動じていませんでした。それに彼女の骨は、決してか細くなく、鉄骨のようです」と指摘した。

 リンクの中央では小さく見える少女は、映画『シンドラーのリスト(Schindler's List)』の曲に合わせて真紅の衣装に身を包み、フリーでは7本の3回転ジャンプを披露した。

「滑っていた時の気持ちは、どう説明すればいいのか分かりません」と話すリプニツカヤは、フリーで自己ベストの141.51点を記録した。