【2月11日 AFP】フィリピン・セブ(Cebu)州の小さな村に存在していた児童ポルノの配信拠点──そのすぐ隣の保育園では、何も知らない幼い子どもたちが日々元気よく遊んでいた。組織が拠点としていた一軒の民家では、子供たちに性的な行為を強要し、インターネットでその様子を世界中の小児性愛者向けに配信するという犯罪行為が長きにわたり行われていた。

 児童ポルノが配信されていたのは、同州マクタン島(Mactan Island)イババオ(Ibabao)村にある民家だ。人口約5000人のこの小さな村の住民にとって、児童ポルノは、漁業や工場での労働よりずっと実入りのいい商売となっていた。

 フィリピンの警察当局は先月、世界中に児童ポルノ映像を配信していた組織を摘発し、多くの映像が主にイババオ村で撮影されていたと発表。村があるコルドバ(Cordova)町のアデリノ・シトイ(Adelino Sitoy)町長はAFPの取材に対し、「知ったときはショックだった。この村でそんな犯罪が行われていたとは、信じられなかった」とコメントした。

 一方、当局と子どもの人権擁護団体によると、多くの地域で人々が貧困に直面しているフィリピンでは、急成長を遂げる世界的な産業となった児童ポルノの影響が広がっており、被害に遭った子どもたちはすでに数万人に上っているという。