【2月8日 AFP】米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)が7日、米大リーグ機構(MLB)と選手会に対する一連の提訴を取り下げた。

 38歳のロドリゲスは、調停人のフレデリック・ホロウィッツ(Fredric Horowitz)氏の裁定により、禁止薬物の使用で162試合の出場停止処分となった。しかし、1月14日に処分の撤回を求めて、米ニューヨーク(New York)州マンハッタン(Manhattan)の連邦地裁に、MLBと選手会に対する訴えを起こしていた。

 ロドリゲスは、昨年10月にも「魔女狩り」を主張して、MLBを提訴していた。

 昨年、米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)のクリニック「バイオジェネシス(Biogenesis)」から禁止薬物の提供を受けたという証拠が見つかり、ロドリゲスに処分が下った。この大リーグ史上最大の薬物スキャンダルでは、他12人の選手も疑惑が発覚したが、有罪を認めたため、処分は短縮されている。

 ロドリゲスに対して、より厳しい処分が下された背景には、同選手がスキャンダルを恐れて捜査妨害を図ったためとされる。また、ホロウィッツ氏も、ロドリゲスが禁止薬物を使用した確固たる証拠が存在し、同選手がそれを隠滅しようとしたという、同機構の主張を支持していた。

 ロドリゲスは、ホロウィッツ氏がMLBの便宜に加担したと非難していたが、MLBと選手会側の求めに応じて、自身で訴訟を取り下げた。

 MLBは、「アレックス・ロドリゲスが、バイオジェネシス社問題に関連した全訴訟を終わらせるという良識ある結論に達したことを知らされた」という声明を発表した。

「ロドリゲス氏の決断は、再びフィールド上で素晴らしいスポーツに集中すること、そして仲間の大リーグ選手とともに、前向きな態度と行動を示したい、という強い意思の表れである。われわれも同じ思いだ」

 また、選手会も、ロドリゲスが「正しい行動をした」という声明を出した。(c)AFP