【1月30日 AFP】米国防総省は29日、開幕が目前に迫ったソチ冬季五輪について、米軍が警備面で支援する準備があることを、改めてロシア側に伝えたと発表した。ただし、ロシア政府には米国の申し出を受ける様子はなかったという。

 同省のジョン・カービー(John Kirby)報道官(海軍少将)によると、チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)国防長官は29日朝、ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相と電話会談した。両者は、五輪期間中に米露の軍高官が定期的に情報交換し、必要なら対応を協議できるような仕組みを構築する方針で合意したという。

 ただヘーゲル長官から明確な提案はなく、ショイグ国防相からも具体的な協力要請はなかったといい、ヘーゲル長官の目的は「米国が真剣に協力を申し出ていることをショイグ国防相に確信してもらうこと」だったとカービー報道官は述べている。一方のショイグ国防相は、警備体制は万全だと示唆したという。

 米当局や米議員は、2月7日~23日に開催されるソチ五輪の警備をめぐり、ロシア側が米国との脅威情報の共有に非協力的だと不満を表明している。

 だが、セルゲイ・キスリャク(Sergei Kislyak)駐米ロシア大使は26日、露情報機関は「十分な」情報を米国に提供しており、露政府は状況をしっかりコントロールしていると述べている。(c)AFP